旅とアートとクリエイション。

関西圏を中心に、博物館、美術館をはじめとするアート展、音楽、ファッション系など、興味を持ったり行ったイベントをアップしていきます。

年齢はやっぱり絶望じゃない、むしろ希望だ。

 

 

先日、ひさびさに映画館に行った。

(このところ、DVDばっかでした)

 

観に行ったのは、こちら。

 

www.youtube.com

 

『アドバンスト・スタイル』。

 

NYで見かけた60代以上のオシャレ上級者達が出演。

彼女たちのスナップを撮り、ブログにアップしたら

アクセスが急上昇したのが、ことの始まりだという。

 ⇒ ADVANCED STYLE

 

ほんとうに目の覚めるようなセンス!

 

こんな着こなし、アリだったのね!

この組み合あわせでくるとは…。

ってなんど思ったか。

 

むしろ、人目を気にする若者にはマネできない。

斬新な発想。

 

映画の出演者には80代、90代もいて

むしろその方々がもっともイキイキしているようにすら、見えた。

 

f:id:color-image:20150628141801j:plain

 

人生の終盤で、むしろいろいろ吹っ切れ、

ホントの意味で執着を手離してるからこそ、

…の境地なんだろうな。

 

ファッションってほんと

外見だけじゃないとあらためて思います。

生き様がにじみ出る。

 

 

 

どの方も素敵すぎて

甲乙つけがたいところなんだけど…。

 

私が生き様でいちばん惹かれたのは

93歳のこの彼女。

f:id:color-image:20150628141122p:plain

イロナ・ロイス・スミスキンさん。

 

このキュートなまつ毛は

懇意にしていた職人さんがいなくなったため

自分の髪の毛を切ってつくることを思いついたんだそうな!

 

アートの先生もしていたり

夜は酒場で歌い手にも変身する。

 

「スターである自分を演じるのよ」

たしかそんなことを言ってらした気が。

 

長く生きているのに、

ホントに、固定概念なんてことばが微塵も感じられない。

 

妖精のように、かろやかで自由。

存在じたいが、変化しつづけるアートそのもの。

 

f:id:color-image:20150628141134j:plain

 

映画の一幕に、絵画の授業で教えているシーンがあって

それがまた、好き。

 

教える言葉の表現が美しすぎて

一言一句、メモして額に飾りたいほどだった。

 

自分が理解できるかどうかなど

おいといて、その言葉じたいに聞き惚れる。

 

 

―――

 

イロナだけじゃなく、

すべてのマダム達に共通している思想が

 

◆自分は自分、他の何者でもない。

 

という部分だった。

 

ホントに、それが徹底しているなと感じられた。

 

きっと「ちょっと目立ちたい」「ちょっと個性的に見られたい」

くらいじゃあ、ここまでのスタイル徹底はできない。

 

目立つことで嫉妬されようもんなら、

眉をひそめられようもんなら、

すぐに終わってしまう。

 

ニューヨークと言えど、そういう空気はあるだろうしね。

しかも昔の時代なら、なおさら。

 

それでも彼女たちは、自分をつらぬいた。

 

その蓄積が、

ここまでの華やかさになってるんだなって。

歳をとる以上に、積み重なる価値の方が楽しみになってくる。

 

彼女たちの一人が言っていた。

 

「あるスタイルを完成させるのに10年かかったこともあるの」

 

たしかに、あるワンピースにピッタリのネックレス、

パンプス、スカーフ、バッグ…。

これが必ずしも、一挙にそろうとは限らない。

 

私も一時期、

「ファッションなんてお金で買えばできるじゃない」

と思ってる絶望的にダサい時期があったけど

流行やモノに流されていては、

スタイルなんてできないってあらためて思った。

 

まあまあのコーディネートに妥協せずに、

ずっと探し求めているからこそ、出逢える、見つかる。

 

きっとファッションだけでなく、

自分らしい生き方を求めているすべての人に、言えるだろう。

 

マネキン人形に着せた完成コーディネートを

丸ごと一式買うだけで、果たしてそれが自分なのか?

 

始まりはそこでもいいけど、そこに付け足したり

そぎ落としたりしていくことで見えてくるものが自分らしさ。

 

それには気の遠くなるような時間がかかることもある。

たった一人で、道なき道を歩んでいる気がするかもしれない。

 

でもそれは、絶望じゃない。

自由と希望のはじまりなんだ。

 

このマダム達を見てたらそう思えてくる。

 

たまたま、ファッションが大好きで

ファッションでそれが見えるように表れているだけの話だ。

 

私が over 60 になったとき

そこにはどんなスタイルがあるだろうか?

 

スタイルを諦めてはいないだろうか?

 

その歳が素敵であることをイメージしたら

今なにができるだろうか?

 

そういう自問自答が始まってます。

 

 

自分の未来の可能性を開きたくなる、映画でした。

 

advancedstyle-movie.com

 

このスナップ集も欲しい!

Advanced Style--ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ

 

 

そして塗り絵もあるという(笑)。面白いな。

Advanced Style The Coloring Book