旅とアートとクリエイション。

関西圏を中心に、博物館、美術館をはじめとするアート展、音楽、ファッション系など、興味を持ったり行ったイベントをアップしていきます。

絵画は空間と色のはざまに立ち現れるもの。ART FEAST LIVE@うめきたSHIPホール

グランフロント大阪横、うめきた広場

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昨日は、こちらを見に行きました~!

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www.osaka-info.jp

2014年、2015年とうめきたSHIPホールにて開催してきたアートイベントの第3弾。
今回のテーマは、「ライブ」!
アーティストによる<ライブペイント>とミュージシャンによる<ライブステージ>で、アートと音楽三昧の贅沢な一日を楽しもう。

 

こんな風に、アーティストさんが会場にいて絵を描いている様子をライブで見られるという、ワクワクイベントです。

※会場内の撮影、ネット上へのアップはOKだそうです。

 

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絵の世界観とビジュアルがマッチしていていい感じだった方。HARUNさん。

 

そういや、こういうブログ書いている割には、本格的に絵が描かれるプロセスをほとんど見たことがない私。特に油絵とかね、どういうプロセスで描くのか、いまだにあまり知りませんわ。

おそらく、小学校の時に習った鉛筆で下書き⇒絵の具で着彩、みたいなもんとは限らないんだろうな。予備知識はそんくらい。

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画材がどっちゃり置かれた風景にときめく私。

 

ちなみに、下のアーティストさんは油絵だそうです。

私が会場にいた2時間くらいは、この背景の着彩のみをずーーーっと、丁寧に塗りこんでいらした。

この色だけでも引き込まれるくらい美しい…。

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この工程をね、知らないのよね。絵の描き方を知らない私からしたら、建築物とか、人物とか、分かりやすい「絵」をいつ書きこむのかなぁってつい思ってしまう。

でもこの絵をはじめとして、今日見て思ったの。絵ってかならずしも、対象物や輪郭を描くことじゃないんだなって。空間と色のはざまに、徐々に「立ち現れる」ものなんだろうなって。

 

よーく作品を見たら…おお、ブログを読んだことある方かも!

よく行くカフェに、行きつけの画家さんがいるんだけど、その方に教えてもらった、この方のブログ。

 ⇒青ヤギさんからの手紙

この方の文章はクスリと笑える箇所があって好きです。アーティストさんのお名前は青栁紀幸(トシユキ)さん。

 

 

この方も素敵な絵描いてましたねー。

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ダイナミックな女性の絵。そもそもがライブペインティングされる方みたいで、リアルタイムに変化する絵を描いてました。silsilさん。描かれている存在そのものが舞台!

 

過去のライブペインティングの動画を見つけました。

youtu.be

 

と…35名プラスミュージシャンもいたので、紹介しているとキリがないんだけど。

私がいちばん釘付けになってたのがこの方の絵。松田真哉さん。

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おお、なんだろう?女性かな?最初は見えなかった。

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徐々に顕れてくる表情。憂いを帯びたようで、どこか毒々しさもはらんでいる。

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水を含んだ画材が下に垂れていく様子がいい…。そしてこのクールな色遣い。光を含んでいるようにも見える。

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素敵。ここで一息つかれたので、仕上がったのかなと思い、他を見に行った。

 

ら…。

 

 

次の工程では、大胆に髪色とタッチが変わっていく。おおーー!また目が離せない。

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まったく別人になってしまった。

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今度は、強い意志を感じる目が描かれて…。

さっきのが陰なら今度は陽というおもむき。

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表情も優しくなりました。

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おお…。ここまで変わるとは。

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単に上塗りしただけじゃなくって、深みが出ている。

さっき描いた絵の残像が残っていて、それが奥行に見えるんだな。不思議と色もマッチしている。キレイだなーーーー。

 

***

 

そうか、絵って時間の流れすらも作品の一部なんだ。と思った。

私は水彩画しか習ってなくて、いったん着彩したら一発勝負なんだけど。油絵やアクリルは重ねられるんだよね。

そうすると、どこまでも変化を加えることができる。この途中経過にも完成図がある。ってことを知っておもしろーーー!と思った。

 

音楽は直列処理なんだよね。Aメロを聴いて、Bメロを聴いて、その後じゃないとサビは聴けない。時系列にあらわされるもの、という。全音を一度に鳴らしても、それは音楽じゃない。

 

その一方、絵画は並列処理だと思ってた。目に一発バン!と作品の完成図が映れば、その全貌が一度に見える。瞬時に伝える、伝わるものなんだと。

リクツ上はそうなんだけど…。

直列に見ることもできるんだ。永遠に変わり続け、完成はない、と見ることもできるんだ。そのプロセスに想いを馳せることもできるんだ。

 

へえ~。勝手に浮かんだ考えだけど面白い。

 

 

後は、さっきも書いたんだけど、絵とは『空間と色のはざまに、徐々に「立ち現れる」もの』だということ。

絵の描き方を知っている人には当然のことなのかもしれないんだけど。私は2つの描き方しか知らない。輪郭を描いて、中を塗るか、色で直接輪郭を描くか。

 

でもそこに、「輪郭線」というものが本当にあるんだろうか。

 

下は別のアーティストさん(たぶんToRiさん)なんだけど。額に入っているのが完成品。動物を描いているのが分かる。

大きな抽象画みたいなのは、ライブで描いていた途中経過。この時点では、まだなんなのか分からない。輪郭も存在しない。

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↓で描いているのは、だいぶ細部が描かれてきてて、ネコかな?マンドリンかな?赤いのはバイオリンかな?みたいに分かってきている。

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なんかうまく言えないけど、ネコもマンドリンも、分かれてないんだよね。一つの空間に同時にあって、なにか同じ空気なり背景を共有している。

この感じがその絵の世界をつくるんだよね。

 

 

で、最後に引き込まれたのがこちら。

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金鳥さんの作品。ライブペイントは撮影し忘れました…。

線を一本一本、ボールペンのようなもので描かれていて、実に緻密。でもその間の空間を、水彩の色で滲ませていて。そのキッチリ感とリラックス感のコントラストに、強烈に惹かれた。

creatorsbank.com

というわけで、冊子を2冊お買い上げ。

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幻想的でため息が出るの…。色遣いも好き。

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なんかインスピレーション源になりそう。

 

というわけで、脳みそヨダレ湧きまくりーの、楽しいイベントでした。2時間くらいしかいなかったけど6時間ぶっ通しなんだよね。観るだけでもすんごいエネルギー使ったのに、描くほうはどんだけよ、という。

 

今回のイベントは1日限りだったけど、また開催されるのかも。

主催はこちら、アートカクテルさん。今後もチェックです。

www.art-cocktail.net

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